日本語に「二刀流（にとうりゅう）」という言葉がある。剣術で、両手にそれぞれ刀を持つ技術のことだ。派生して、同時に二つのことを行うことの、比喩的表現(xiàn)になっている。

　日本のプロ野球で、その二刀流を実踐しているのが、日本ハムファイターズの大谷翔平（おおたに?しょうへい）だ。投手であり、投げない試合は指名打者として中軸で出る。今年のワールド?ベースボール?クラシック（ＷＢＣ）は足首のけがで辭退したが、來年は大リーグ進出がうわさされる逸材だ。

　野球の二刀流は、選手數(shù)が多くなかったリーグの黎明期にはいたが、最近はまず見ない。韓國プロ野球でも、草創(chuàng)期にヘテの金城漢が投手としても野手としても出ていたくらいだと聞いている。

　高校野球なら投手が打順の中軸を擔うことも珍しくないが、プロの世界になれば負擔は大きい。二刀流の実踐には、選手本人にも監(jiān)督にも大きな決斷がいる。

　大谷は入団した２０１３年から二刀流に挑んできた。投手として先発する前日、前々日と登板翌日は出ず、それ以外は野手として打席に立つ。１、２年目は外野手も務めたが、昨年、一昨年は指名打者のみだった。そんなリズムで、昨年までの４シーズン通算、投手として３９勝１３敗。打者としては打率２割７分５厘、４０本塁打。２０１５年には最多勝や最優(yōu)秀防御率のタイトルをとり、昨年は投手部門、指名打者部門の両方でリーグのベストナインに選出され、史上初めて、投手と野手としての同時受賞となった。

　大谷を二刀流で使い続けてきた日本ハムの栗山英樹（くりやま?ひでき）監(jiān)督は、今シーズン前に朝日新聞社が開いたトークイベントでこう語っている。

　「あと２０年経ったら、各チームに二刀流がいると僕は信じている。子どもたちが翔平を見て、プロ野球で二刀流やるんだって本気で思えば、それが本當に一番野球界の面白さにつながると思う」

　このトークイベントで司會を務めた私は栗山監(jiān)督に、こんなことも聞いてみた?！?/span>外野手もさせる『三刀流』はどうか？」

　栗山監(jiān)督は「その意識を翔平自身が持っていることは大事だと思う。野球って、答えがない。これってできるのかな、と思っちゃうとできなくなっってしまう。すべてできるという発想でいないと、何も想像力が生まれてこない」と答えた。

　大谷の挑戦は、子どもたちの夢を育もうという考えを持ち、頭が柔軟な監(jiān)督がいてこそだ。栗山監(jiān)督は昨年、「一番投手大谷」という打順を組んでファンの度肝を抜き、その試合では大谷が試合の先頭打者として初球にホームランを打った。

　大谷は今シーズン、ＷＢＣは出なかったものの、プロ野球の開幕には間に合わせ、指名打者として８試合に出場して打率４割７厘、２本塁打の活躍だったが、４月には今度は肉離れを起こしてしまった。

　６月に復帰したものの、投手としては先発が１度だけ。２９球を投げて２回途中で降板した。指名打者としてのみ、慎重な起用法が続いている。

　個人的には、「だから二刀流は無理なんだ」という否定論が支配して欲しくない。韓國にも同じ挑戦者が現(xiàn)れないだろうか。